倦怠の勿忘草

“汚れつちまつた悲しみは 倦怠のうちに死を夢む”

2016-10-02から1日間の記事一覧

朝日の報せ

悪い夢をみていた。 秋空が朝日で焼けている。カーテンの隙間から覗く橙の光が、漆の剥げた古い木製の棚に射し、目玉のような木目の模様を、ぼんやりとした空気の中に浮かべていた。 ぼくは悪夢を覗かれたような気分になって、咄嗟にそいつを睨み返したが、…