倦怠の勿忘草

“汚れつちまつた悲しみは 倦怠のうちに死を夢む”

2018-03-25から1日間の記事一覧

追憶

すべてをうしなった。 私を繋ぎとめていた様々の熱と情、その瞬間までこの手に触れていたそれらが、次の瞬間には虚しく空へばら撒かれたのだ。 そこにただ、泣き声だけが響いた。息を始めたばかりの嬰児のような、無垢でつつがなく、たっぷりと満たされた幸…