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倦怠の勿忘草

“汚れつちまつた悲しみは 倦怠のうちに死を夢む”

ふかんしょう

 

よく、わかりません。

 

私、みんなの話す言葉が

よく、わからないのです。

 

 

私、勉強は苦手です。

 

質問されている意味が

よく、わかりませんから。

 

何を目的に、

どんな手引きで、

答えに導こうとするのか、

 

考えても考えても、

わかるはずがない。

 

わかるはずがないから、

わかりたくありません。

 

点数を取る、ということ。

 

それがどうしたら、出来ることなのか、

私には、わからないのです。

 

競い合って、勝つ、という経験が無いので、

その、よろこびも、わからない。

 

よろこびかたが、わからない。

 

 

あなたのことを知りたいの。

楽しそうな顔で、言われました。

 

私は、なぜあなたが、

私のことを知りたいのか、

よく、わかりません。

 

私は、あなたのことなんか、

特別に、知りたくないもの。

 

あなたが、私のことを知りたいのは、

きっと、私の何かを、狙っているの。

 

私は、その何かが、わからないから、

あなたとは、これ以上、関わりたくない。

 

私に、触れないでください。

 

 

私、芸術、というものも、

わかりません。

 

音がわかります。

 

色がわかります。

 

花が眠らないということもわかります。

 

けれども、 どうして、ひとが、

わざわざ、知恵をしぼって、

その、獣のようなカラダを、

花のようにかざりつけたがるのか、

わたしには、わからない。

 

人間のカラダには、人間のカラダの、

うつくしさがあるはずでしょう?

 

音楽は言葉をごまかす。

意匠は美醜をごまかす。

麗句は真心をごまかす。

 

芸術って、勉強よりも、もっと、

綺麗なものだと、思ってた。

 

ゴツゴツした言葉を玩ぶことなんて、

私にも、できます。

 

 

私、思想というものも、

信じられないの。

 

私は、私で、私以外では、

ないはずなのに、

 

どうして、私が、

一生をかけて、他の人間に、

なろうとしなきゃいけないの?

 

私は、そんなに簡単に、

決めてもらえる、人間じゃ、

ないわ。

 

 

私はね。

 

なにも、感じとらない。

 

どうして?

 

私がいちばん、私自身のこと、

わかるからです。

 

だから、私は、

私で、勉強と、表現とを、

 

私が、うつくしいと感じるかたちで、

完成させないといけません。

 

それだけしか、私には、

わからないのです。