四月九日、丁度日を跨いだ頃である。一頻り驟雨が降り、夜は霧に包まれていた。 霞んだ景色と潤む空気が目新しいので、私は好奇の心で外に出ていた。こういう日は、布団の中の方が却って寝苦しいものである。 造船に携わる人間や物資の運搬の為、戦後になっ…
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